生きがい
難聴を糧に
友保 徹藏(ともやす てつぞう)
平成17年8月の夏、暑い時期、走行中に耳から音が聞こえなくなりました。医師から突発性難聴と診断され、入院治療にと専念しましたが効果なく、平成19年に身体障害者手帳の交付を受け障害者となりました。
思えば平成元年に民生委員を拜命。数多くの障害者の方々と交流も有り、障害者の大変さを実感していました。私がその立場から反転し、多くの人に支えられる立場になりました。
洋服縫製店を40数年営んできましたが、平成20年に閉店しました。毎日毎晩耳鳴り、頭の中に異音雑音が生じ悩まされ、現在に至っています。
その頃テレビで、日本の一女性が異国で切り絵をされている放映が目にとまりました。そして、その繊細さに驚きました。衝動的に私にも切り絵が出来るのではないかと毎日図書館に通い、切り絵のノウハウを勉強しました。
23枚の切り絵を作品にした頃、障害者芸術祭(第2回)がある事を知り、仏画を参考に千手観音(せんじゅかんのん)菩薩像(ぼさつぞう)を選びました。何故かと言いますと、障害者の皆様も千差万別です。千手観音(せんじゅかんのん)菩薩(ぼさつ)の恵みを受け、一日も早く回復される思いで祈念、仕上げに励みました。おかげ様で入賞させていただき、地域の市民センター等に作品を展示させていただき喜びを分かち合えました。
障害者福祉会館では切り絵の手法を色々勉強させて頂きました。現在は季節の作品、飾り下げものなど、七夕祭り、梅雨時の飾り、鯉のぼり等を地域の保育園、幼稚園、市民センター等で作らさせていただき子供達の喜ぶ姿に切り絵の温かみを噛みしめています。
切り絵を始めると寝食を忘れ没頭し、女房に迷惑をかけています。
地域の皆様、障害者福祉会館の皆様には、色々お世話になります。今後共宜しく御指導下さい。
一句、八十(やそ)路(じ)を迎え障害を寅と共に歩む人生哉(かな)。
(生涯)(女房)寅年です。