4 ちょっと一息~リレーコラム
好きな料理名は?
情報提供事業担当 青木 静子
学生時代に少々、料理の勉強をしていた私。というお話をすると、「さぞかし料理好きなのでは?」と思われがちですが、実は真逆なのです。料理の勉強といっても料理そのものではなく、調理法を科学的に分析するという内容で 例えば、木製のせいろ蒸し器と金属製の鍋型蒸し器による茶碗蒸しの蒸しあがりの違いや、寒天とゼラチンの固まる温度の違いを比較検討したりしていました。まるで料理というよりは実験のような感覚です。
家庭を持つまでは料理を殆どせずに作る側より食べる側の立場が好きな私が、料理を作る時の一番の師匠といえば料理本でした。そのせいか、「この料理はこの材料がそろってないと作れない」とか、「味付けはこう作るべきだ」等、料理本通りに作ることを「良し」とし、それ以外の調理方法や味付けは邪道だという考え方を以前はしていました。今思えば、なんと頭の固い、融通の利かない人間ですよね。今は、ネットで検索すれば、手軽にいろんな料理をすぐに知ることができますのでその中で一番、簡単で好みの味付けの料理を探して作っています。正直、口にあわない料理になる事もありますが、そこはご愛敬、そして「美味しい」と思った料理を我が家の定番料理として残していくようにしています。
そんな定番料理を作っていても毎回、同じようには作れず「今日はいつもと何か違う」という時があるのですが、その時、私は本来の料理名の後に「~風」と付け足して名付けます。例えば、皆さんがご存じ定番料理の「肉じゃが」を作った時に具材が煮崩れしすぎてしまったり、味付けがいまいちといった「失敗」と思えるような場合は「肉じゃが風」と料理を名付け、「コロッケ」を作る際に「今日は油で揚げるのが面倒だな」と思った時はオーブンで焼いて「コロッケ風」という料理を名付けてしまえば、「失敗料理」や「手抜き料理」ではなくなり、作り手側、食べる側、共に「そういう料理なんだ」と不思議と納得いく気持ちになれ、なんだか、きちんとした料理に思える気がするではありませんか。勿論、美味しいかどうかは別ですが。(笑)
私にとって「~風」の料理名は、とても便利なお助け料理名なんです。
そしていつも作る料理の味が多少違っていてもそれが家庭料理の良さ、醍醐味だと思うことにし、きちんとした料理が食べたくなった時は、プロの料理人にお任せする事にして日々、お気楽に料理を楽しもうと考えています。
ところで皆さん、人生最後に食事をするのであれば何が食べたいですか?
私は「卵かけご飯」です。とても「料理しました」といえる料理ではないですね。(笑)