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機関誌「しんしょうだより」

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LENCONのはじめの一歩

夢は自転車に乗ること! 永松 玲子(ながまつ れいこ)

 

※サリドマイドの薬害のため、両肩から数本の指が少し出ているだけの状態で左目は失明、右目も眼球振動があり弱視(近づけば人がいるか識別できるくらい)

 

 あのべたべたしていたギブスの型どりが終わってどれくらい過ぎたかわかりませんが、いつものように訓練の時間はやってきて、私はその頃心の中で、「ああ、今日もまたあの重たい砂袋の上げ下げかぁ。「あれ、本当にきついんよねぇ。」「先生わかってないよねぇ、だって大人なんやもん。」「かんべんしてよぉ!」と叫ぶようになっていました。まぁ、叫ぶといっても、心の中での叫びです。届くはずないんですけどね。

 そんな想いを胸に秘め訓練室に入ると、「あ、玲子ちゃんが来た来た。」電動技手ができたよ。」「今日からこれをはめて訓練しようね。」と弾んだ声で言われました。

 近づいてみると、友達がはめていた補装具のような、縦横の棒で囲まれた形のような物。その両肩らしき所から肘を曲げたままの両手があり、両手の指先の4本はつながっていて、お互いの親指だけが離れて動いていました。

 先生がその電動義手を広げ、私はその中に体を入れ先生が手を離した時、ほんのちょっとふらっとしましたが、砂袋の訓練が役に立ったのか、そんなにきついとは思いませんでした。

 ああ、そんなにきつくないやん。これならすぐに動かせるようになる。うんうん、右腕の脇近くのボタンで右手を動かすんやね。うんうん、左手の腕は左の肩で動かすんやね。とスイッチの場所確認をし、右腕を動かそうとスイッチを動かしてみました。ところがまったく動きません。あれ?っと思い、今度は左肩のスイッチを動かしてみました。ですが左もまったく動きません。思わず先生に、「先生、これ動きません。壊れとるよ。」って言いました。

 すると先生は笑いながら、「玲子ちゃん、この電池ベルトを着けんと動かんよ」と、大きな電池が6個入ったベルトを持ってきて電動義手の腰にあたる部分に装着しました。

 するとその電動技手は、一気に私の体にのしかかり、呼吸ができにくくなっていきました。

 夢は自転車に乗ること!その夢が一気に崩れた気がしますた。

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