それあるっ!劇場 ~きつねパンダ一家~
北九州市で元気に暮らすきつねパンダ一家が、あるある話のメインキャラクターとして、ある時は障害のある当事者として、またある時は家族として、いろいろな場面に登場する「それあるっ!劇場」
今回は「下肢障害の人」のお話です。
- 登場人物 きつねパンダ家族イラスト
エピソード27~苦難は続く…~
バリアフリー法も改正され、公共交通機関の駅やそこに隣接する建物、近隣の公共施設へのアクセスも昔に比
べると随分良くなり、障害のある人が出かけやすい環境に少しずつ変わってきました。
下肢障害のあるママパンダは、今日は娘と一緒に駅チカのお店でランチを食べようと出かけているところでし
た。
お店に向かうため地下通路を通って移動し、エスカレーターから上に移動しようと目の前まで来ましたが、エスカレーターが下りしかないことが分かりました。長い階段だったため、下肢障害があるママパンダには上るのが難しく、このままでは地上に出られません。仕方なくエレベーターで地上に出ようと、どこにあるのか表示を探したら、案内表示には「左方面へ200メートル」という案内が!
下肢障害のある人にとっての200メートルの大変さは、エピソード10「中途半端はかえってバリアです」やエピソード20「すぐそこ、が結構遠い…」で紹介したとおり、障害のない人の何倍も時間と体力を削られる過酷なものとなります。しかし、エスカレーターそのもののスペースが取れないとか、ラッシュ時のお客さんの流れで工事が難しいといった事情から、片方だけに設置せざるをえないところもあります。また、エレベーターも金額的な問題からそんなにたくさん設置はできないので、どうしても設置場所までの移動が長くなることがあります。
最初から障害のある人、高齢者、子ども連れの人など、いろんな人が利用する想定で、施設を設計する段階でこうした設備の設置が計画的に行われているなら、みんなにとって使いやすいものとなっているはずですが、昔はバリアフリー法などもありませんでしたし、作った施設でそこまでの利用を想定していたわけではなかったという事情が現在の問題を起こしているのでしょうね。
すべての施設、設備がすべての人にとって使いやすいものになるとはなかなかいきませんね。
バリアフリー法により、施設のバリアフリー化が進んではいるものの、すべての施設が法律の意図に沿ったかたちで整備されるにはまだまだ時間がかかりそうです。
ママパンダのランチへの道のりはまだまだ厳しい・・・。