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◆ 2023年度の主な文学賞受賞作品
今年度の、主な文学賞を受賞した作品のいくつかを、サピエ図書館での着手・完成状況と併せてご紹介します。
●第76回野間文芸賞
「恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ」 川上 弘美 著
〈内容〉小説家のわたし、離婚と手術を経たアン、作詞家のカズ。カリフォルニアのアパートメンツで子ども時代を過ごした友人たちは、半世紀ほど後の東京で再会した。たゆたうように心に届く大人の愛の物語。『群像』掲載を単行本化。
(点字 着手あり、デイジー 完成あり)
●第45回野間文芸新人賞、第51回泉鏡花文学賞のダブル受賞
「あなたの燃える左手で」 朝比奈 秋 著
〈内容〉ハンガリーの病院で手の移植手術を受けたアサト。だが麻酔から醒めると、繋がつていたのは見知らぬ白人の手。アサトは他人の手を受け入れられず…。身体を、国を奪われる意味を問う傑作中篇。『文藝』掲載を単行本化。
(点字・デイジー 着手あり)
●第18回中央公論文芸賞
「パシヨン」 川越 宗一 著
〈内容〉司祭になるためローマへ、そして禁教下の日本へ。小西行長の孫・マンショの人生を軸に、“受難(パシヨン)の時代”を生きる者たちの魂の叫びを描いた歴史小説。『河北新報』等掲載に加筆修正し単行本化。
(点字・デイジー 着手あり)
●第39回太宰治賞
「自分以外全員他人」 西村 亨 著
〈内容〉マッサージ店で勤務する柳田、44歳、独身。傷つきやすく人付き合いが苦手な彼の心を迷惑な客や俗悪な同僚、老いた母や義父が削り取っていく。自死することだけが希望となった柳田をさらに世界の図らざる悪意が翻弄する。
(点字 着手あり)
●第59回谷崎潤一郎賞
「水車小屋のネネ」 津村 記久子 著
〈内容〉身勝手な親から逃れ、姉妹で生きることに決めた18歳の理佐と8歳の律。たどり着いた町で出会った、しゃべる鳥〈ネネ〉に見守られ、人生が変転し…。人々が織りなす希望と再生の物語。『毎日新聞』連載を加筆修正。
(点字・デイジー 完成あり)
●第33回ドゥマゴ文学賞
「ミライの源氏物語」 山崎 ナオコーラ 著
〈内容〉ルッキズム、ロリコン、貧困、不倫、ジェンダー…。現代を生きる私たちは名作古典「源氏物語」をどう読めるか? 作家・山崎ナオコーラによる現代人のための「源氏物語」エッセイ。『なごみ』連載を大幅に加筆修正。
(点字・デイジー 完成あり)
●第21回開高健ノンフィクション賞
「MOCT 「ソ連」を伝えたモスクワ放送の日本人」 青島 顕 著
〈内容〉ソ連を引き継いだロシアがウクライナを侵攻。モスクワ放送関係者をさらなる苦悩に巻き込んだ。広大な大地を舞台に揺れ動いた人生模様を描く。(MOCT(モスト)とは、ロシア語で「橋」「架け橋」の意味)
(デイジー 着手あり)