それあるっ!劇場 ~きつねパンダ一家~
北九州市で元気に暮らすきつねパンダ一家が、あるある話のメインキャラクターとして、ある時は障害のある当事者として、またある時は家族として、いろいろな場面に登場する「それある劇場」
〈エピソード4〉~ごく普通です~
車いすの人や目の見えない人など、障害のある人が普通に街を歩いているだけなのに「頑張ってくださいね」とか「大変ですね」とか声をかけられることがあると、というのはよく聞く話。
本人たちは何も特別なことをしている訳ではなく、普通に道を歩いているだけなのに、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
アメリカのステラ・ヤングさん(骨形成不全症の車いすの女性)は、自らの演説動画で「障害者は健常者の“感動ポルノ”になっている」と、“感動ポルノ”(健常者に勇気や希望を与えるための道具)という造語で、障害のある人への社会の見方を痛烈に批判し、世界中で物議をかもしました。
「障害のある人が頑張っている姿を見て、勇気や希望をもらいました」のような見方は、
「障害のある人=かわいそうな存在、不幸な存在」というイメージが強くあることが原因です。そのような目線のズレが「大変ですね」「頑張ってくださいね」という、マンガのような言葉を引き出してしまっているんだと思います。
障害のある人は、頑張って乗り越えなければいけないものが多いのも事実です。けれど、日々の生活において常に頑張って、何かを乗り越えているわけではなく、ごく普通に生活しています。
社会の側が障害のあるなしに関わらず共に暮らすことができる環境や人々の意識を醸成できれば、障害のある人が乗り越えなければないものも少なくなり、無理に頑張ることもなくなるのです。
「障害」とは、その人の身体的なことや病状などよりも、むしろ社会の中に潜んでいるのではないでしょうか?
最後にステラさんの言葉を引用します。
「私が住みたいのは、障害が特別視されるのではなく、普通だと思われる世界です。」
パパパンダの日常もごく普通なのです。