社会資源紹介コーナー ~つなぐ、つながるために~
一般社団法人Q(キュ)-(-)ACT(アクト) Q(キュ)-(-)ACT(アクト)北九州
吉田 鈴(ケースマネージャー)
片岡 大貴 (チームリーダー)
ACT(アクト)とは「Assertive Community Treatment」を略したもので、日本語では「包括型(ほうかつがた)地域(ちいき)生活(せいかつ)支援(しえん)プログラム」と呼ばれます。アメリカで生まれ、日本では厚生労働省のモデル事業として2003年に千葉県でスタートした集中的・包括的なケアマネジメントのモデルです。ACTにはいくつかの特徴があり、①医療、福祉、就労等を含む生活全般を訪問にて支援する、②看護師、作業療法士、保健師、精神保健福祉士等の「多職種チーム」でのチームアプローチ、③24時間365日の実践、④重い精神障害のある方を対象、⑤スタッフ対利用者が最大1対10の細やかな関わり、⑥ストレングス(強み)を活かし、病気や障害がありながらも自分らしく生活できること(リカバリー)を目指していくことなどが挙げられます。
例えば、入退院を繰り返すことがありながらも「仕事をしたい」と目標を持つ利用者と共にハローワークを訪れたり、幻聴の症状がありながらも結婚したいと望む利用者と結婚相談所へ相談に行ったりすることもありますが、これらは私たちの関わりのごく一部に過ぎません。利用者の数だけ「夢」や「希望」があり、利用者中心に、私たちは伴走者として、柔軟な支援を心掛け、日々地域を奔走しています。
ACTは現在全国で約25チームほどが展開され、2012年にACTを福岡にも取り入れようと福岡市でQ-ACTを開設しました。福岡県内の家族会のバックアップで設立、コメディカルだけでの実践、経営と運営をスタッフ全員で担っていること等が特徴です。2014年に北九州に2チーム目となるQ-ACT北九州を開設、現在7年目を迎えました。
そして今年4月には3チーム目となる久留米にQ-ACTくるめを開設し、また2021年4月の八幡チーム開設へ向けても準備を進めています。「福岡のどこに住んでもACTの支援を利用できる」ことを目標とし、今後もチームを増やしていきたいと考えています。
私たちQ-ACTは地域の社会資源の1つとして、活かし活かされ、地域と共に成長していけるように、これからも取り組んでいきたいと思います。
▲Q-ACT北九州スタッフ
(看護師2名、保健師1名、作業療法士3名、精神保健福祉士2名)