愛は死なず
館 長 安藤 薫
九州北部豪雨災害により、被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。一日
も早い復興、そして生活が取り戻せますように。
先日、全盲の原田さんという方と盲導犬ハーツの話をテレビで見ました。
2011年3月11日、東日本大震災の時、福島県南相馬市で津波によって車に閉じ
込められ、濁流に飲まれた車から必死で逃げた原田さんとハーツ。
ハーツだけでも助けようとする原田さんと、原田さんを助けようと離れないハーツ。
その時、ハーツの白い頭が目に留まり、通りかかった人に救助されました。そんな苦
楽を共にしてきたお互いですが、盲導犬は10歳で定年を迎え、次の盲導犬を得るため
には別れるしかなく、お互いの事を思い別々の道を歩いていく事になったそうです。
「生きるための別れ」「相手を思いやる別れ」というのに気づかされました。
図書館で、先月「オープンブレイルライブラリー」のイベントを開催し、たくさんの
方に足を運んでいただきました。その際、以前いただいていた「山橋衛二さんと盲導犬
ヴァルデス」のパネルを展示させていただきました。
山橋さんとヴァルデスは、一昨年の10月、車をバックする際周囲に注意を促す警報
音を鳴らさなかったトラックに轢かれ、命を落としてしまうと言う悲惨な事故に遭いま
した。
警報音の義務化、事故の再発防止を求めて、又、「盲導犬の素晴らしさを知って欲しい」、
「ユーザー仲間を増やしたい」という山橋さんの遺志を継ぎ、「徳島の盲導犬を育てる会」
がパネルを作成し、活動されています。
盲導犬を必要とする視覚障害者にとって、かけがえのないパートナー「盲導犬」、そこ
にはお互いの深い絆がある事を改めて感じました。
大好きな歌の一つである、平原綾香さんが歌う「Love Never Dies~
愛は死なず」の歌詞が頭をよぎります。