北九州市身体障害者福祉協会 平成28年度事業報告及び決算について
平成28年度事業報告
平成28年度は、当事者団体や関係者の悲願でもあった障害者差別解消法(しょうがいしゃさべつかいしょうほう)のスタートの年でもありました。差別解消法のスタートに合わせて「障害者差別解消相談(しょうがいしゃさべつかいしょうそうだん)コーナー」が新設され、差別解消に向けた取り組みを効果的に行うためのネットワーク「北九州市障害者差別解消支援地域協議会(きたきゅうしゅうし しょうがいしゃさべつかいしょうしえんちいききょうぎかい)」も発足しました。
協会では、障団連の一員として差別解消支援地域協議会の事務局に関わり、障団連と市が協働で運営する「障害者差別解消相談コーナー」に相談員として職員を出向させることとなりました。また、「障団連差別解消条例を作ろうプロジェクト」にメンバーとして参加し、北九州市での条例制定に向けた条例の素案作りに取り組みました。
芸術文化活動支援においては、アートセンターの事業として、市内の各所で地域の喫茶店等と連携し「かがやき作品展」を開催するなど、障害のある人たちの芸術作品の発表の場の提供と、アート作品の普及啓発を行いました。
また、当協会主管で開催した九州身体障害者グラウンドゴルフ大会では、参加者相互の親睦や交流で成果を残し、無事に大会を終えることができ、この大会の終了をもって、平成26年度から各種大会を連続で担当してきた役割を一通り終えることになりました。
指定管理者第3期3年目となる障害者福祉会館(しょうがいしゃふくしかいかん)では、地域利用者の活動拠点としての講座や交流会を開催し、多くの人に会館の活動を知ってもらうために広報、啓発活動に努めました。
その他、職員の資質の向上について、一人ひとりが自ら考え、自ら行動する力やコミュニケーション力を高めるために必要な技術、求められる能力を整理し、入職時から段階的に進むべき道筋(キャリアパス)として示した「人財育成計画」を作成しました。
公益事業1 社会参加推進事業
公益事業2 東部障害者福祉会館事業
公益事業3 西部障害者福祉会館事業
収益事業1 点字・声の市政だより等作成事業
収益事業2 自動販売機委託販売事業
その他事業 地域障害者団体支援事業
平成28年度決算報告
平成28年度の法人全体の決算について、経常収益は、障害者差別解消相談コーナーへ職員を出向させたことによる北九州市からの人件費の助成分や、手話通訳協力員派遣事業、要約筆記者派遣事業、盲ろう者通訳・ガイドヘルパー派遣事業に関するに派遣費の引き上げに伴う増収により前年比2.8%増の209,887,679円となりました。
経常費用は、手話通訳協力員派遣事業の派遣費の引き上げに伴う人件費や九州身体障害者グラウンドゴルフ大会の開催費用等で費用増となりましたが、障害者福祉会館の管理運営経費の節減による執行残等で、前年比0.5%減の199,029,514円となりました。
結果として当期一般正味財産増減額は9,211,685円となり、平成28年度の法人全体の正味財産期末残高は151,312,579円となりました。
単位(円)
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公益目的 事業会計 |
収益事業等 会計 |
法人会計 |
合 計 |
経常収益計 経常費用計 |
183,923,353 180,627,148 |
21,967,143 14,752,758 |
3,997,183 3,649,608 |
209,887,679 199,029,514 |
①当期経常増減額 |
3,296,205 |
7,214,385 |
347,575 |
10,858,165 |
経常外収益計 経常外費用計 |
0 6,114,676 |
0 0 |
4,549,200 4 |
4,549,200 6,114,680 |
②当期経常外増減額 |
△6,114,676 |
0 |
4,549,196 |
△1,565,480 |
③他会計振替額 |
3,539,584 |
△3,539,584 |
0 |
0 |
④法人税、住民税及び事業税 |
0 |
81,000 |
0 |
81,000 |
A 当期一般正味財産増減額 (①+②+③-④) |
721,113 |
3,593,801 |
4,896,771 |
9,211,685 |
B 一般正味財産期首残高 |
8,878,886 |
19,157,280 |
114,064,728 |
142,100,894 |
一般正味財産期末残高 (A+B) |
9,599,999 |
22,751,081 |
118,961,499 |
151,312,579 |
正味財産期末残高 |
9,599,999 |
22,751,081 |
118,961,499 |
151,312,579 |
※指定正味財産については、現在法人では保有していないため記載なし。
平成28年度は、障害者差別解消相談コーナーへの職員出向にかかる人件費の助成や各種派遣事業(手話通訳、要約筆記、盲ろう者通訳ガイド)の派遣費の引き上げに伴う増収、保有国債の売却益などから、結果として法人全体の正味財産が9,211,685円増加する決算となりました。
デイサービスセンター及び支援介護ステーションきずなの閉鎖による影響や、九身連大会、政令市大会の開催経費などの臨時的な経費増のため、平成25年度から平成27年度まで3期連続で赤字決算となっていましたが、当協会が担当する大きな大会が終了したことで通常の運営状態に戻り、28年度は黒字決算で終了することが出来ました。
赤字決算の状況が改善され、通常の法人運営の状態に戻ったものの、点訳・音訳発行物の受注額の減少など、収益事業全体の利益が少なくなっている現状を踏まえ、新しい収益を確保するための事業の検討や保有資産の規程内での活用など、法人運営のあり方について今後は検討を行なっていきます。