それあるっ!劇場 ~きつねパンダ一家~
北九州市で元気に暮らすきつねパンダ一家が、あるある話のメインキャラクターとして、ある時は障害のある当事者として、またある時は家族として、いろいろな場面に登場する「それあるっ!劇場」
今回は「視覚障害」のお話です。
〈登場人物〉
エピソード25~どんなに気を付けていてもやる時はやるんです~
パパパンダは視覚に障害があり、全く見えませんが、白杖を使って歩く訓練をしたおかげで点字ブロックをたよりに一人でいろんな所へ行くことが出来るようになりました。
白杖は、視覚に障害のある人が安全に歩行をするための補助具で、次のような役割があります。
・周囲の情報を入手する(杖の先から地面の凸凹などの突然の状況変化を察知する)
・安全を確保する(体より先に障害物を杖に当てて危険を回避する、車でいうバンパーの役割)
・視覚に障害があることを周囲に知らせる(シンボルとしての役割)
さらには、地面を叩いた音の反響を聞いて、今どれくらいの広さの場所にいるのかなどの情報を確認する使い方もあります。
さて、パパパンダもそんな役割を持つ白杖を使うことで、安全を確保しながら点字ブロックをたよりに道路を一人で歩いています。もちろん、杖先からの情報のみならず、周囲の音にも気を配りながら。なので、道路にお店の看板が出ていたり、自転車が置いてあったりしても、白杖で察知し回避することができます。
けれど、どんなに注意をしていても白杖では察知できない場所があります。それは上の空間です。
ベテランの視覚に障害のある人でも、上の空間の障害物を察知するのは難しく、障害者福祉会館でも、額が青アザになっている人を年に数回見かけることがあります。
通り慣れている道でさえも、上の空間に釣り看板が新しく設置されていることもあるので、状況が変わると危険です。
慣れている家の中でも開けっ放しの棚の扉で頭をゴツン、などあるそうです。
今回のパパパンダも、お店の看板は無事に回避することができましたが、カフェの釣り看板には気付くことが出来ずに頭をぶつけて、大きなたんこぶを作ってしまいました。(帽子を被ったパパパンダのたんこぶの出方については聞かないでください)
こんなことにならないためにも、道路の看板だけでなく、低い位置への看板などの設置には、お店の方はどうかご配慮下さい。
パパパンダが青あざやたんこぶをつくらなくて良い社会になることを願って。