それあるっ!劇場 ~きつねパンダ一家~
北九州市で元気に暮らすきつねパンダ一家が、あるある話のメインキャラクターとして、ある時は障害のある当事者として、またある時は家族として、いろいろな場面に登場する「それあるっ!劇場」
今回は「懲悪障害」のお話です。
〈登場人物〉
エピソード24~寝言には気を付けて~
ある日の夜、寝室でぐっすり眠っているパパパンダの手が何だか動いていることに気が付いたママパンダ。
そっと近づいて良く見てみると、何やら会話をしている様子。
なんとそれはパパパンダの手話での寝言だったのです。
「手話で寝言?」と思われるかもしれませんが、これは当たり前のことなんです。
手話は見ることば(視覚言語)であり、音声の日本語や英語などとは違った文法を持つ言語であると言われています。
パパパンダは、生まれた時から聴覚に障害があり、小さい頃から手話に囲まれ、自然に身に付いていった手話(日本手話)を日常的に使って生活をしている環境で育ちました。それは、聞こえる人が日本語に囲まれた中で自然に日本語を身に付け、日常的に使用している環境と同じことです。
また、「寝言」の意味を調べてみると、眠っている間に無意識に発する言語(ことば)と書かれています。
眠っているパパパンダが無意識に出した寝言の手話は、日本語や英語と同じように単なるジェスチャーなどではなく言語なので、聞こえないパパパンダが日常使っている言語である手話が寝言で出てくるのはごく当たり前のことなんですね。(日本語を日常的に話す人の寝言は日本語であり、英語やフランス語を日常的に話す人たちの寝言は自分たちの使用する言語なのだから)
おっと、そんな説明をしているうちにパパパンダの手話の寝言が「お金」「しまう」と続いていきます。しかもニヤニヤ嬉しそうな顔で。
まさか! みんなに内緒でたくさんへそくりでもしているのでしょうか?
気持ちよさそうに寝ているパパパンダでしたが、そんな寝言を読み取ったママパンダから寝ているにも関わらず問い詰められたのは言うまでもありません。
皆さんも寝言には気を付けて(無意識に出てくるのが寝言なので気をつけようもないですけど(笑))