それあるっ!劇場 ~きつねパンダ一家~
北九州市で元気に暮らすきつねパンダ一家が、あるある話のメインキャラクターとして、ある時は障害のある当事者として、またある時は家族として、いろいろな場面に登場する「それあるっ!劇場」
今回は「聴覚障害(難聴)の人」のお話です。
〈登場人物〉
エピソード21 ~ノリノリライブと難聴者あるある~
今日は難聴者団体の親睦会。
ステージ上ではパパパンダがロックを熱唱しています。
「難聴の人って歌えるの?」そう思った方もいると思います。
難聴は、軽度~重度まであり、聞こえ方や聞こえの程度によって人それぞれです。中には音楽を聴くことやリズムに乗って歌を歌うことができる人もいます。
では音楽が聞こえるのなら電話も出来るかというとそうではありません。
音楽と通常の会話では、聞こえてくる音の高さや大きさ・音質なども違うため、補聴器で拾う音も当然違い、音楽が聞こえるから電話が出来る訳ではありません。また、電話については、難聴の人は自分の言葉でしゃべることが出来るため、電話での対応も大丈夫だろうといった誤解も受けやすく、職場で辛い思いをしている人たちがいるということを知っていただければと思います。
さて、親睦会恒例のパパパンダのライブ、いつもならパフォーマンスに会員からの声援で大盛り上がりとなるところですが、何かがいつもと違います。
衣装のマントをひるがえし、更にテンションがあがるパパパンダ。
すると後ろから支援者の方が肩をトントン叩いてパパパンダに知らせます。なんとワイヤレスマイクの電池が切れていて、大人数の前で完全に生声で歌っていたのです。
有名なアーティストの方が広い会場でマイクを使わずに生声で歌う演出もあり、その時の会場は盛り上がったりしますが、今回の聴衆は難聴の人たちで、マイクを通した声でないと歌声はよく聞こえません。加えてあるあるなのが、カラオケで歌を歌う難聴の人の中には、リズムに乗って歌を歌ってはいるものの、バックのミュージックの音にかき消されて、自分の声のフィードバックがマイクを通して聞こえているのか、自分の生声なのか、分からない人もいるとか。
ノリノリの状態で一人空回りしていたパパパンダは、そのことを指摘されガックリ。親睦会終了後は、1人反省会のために夜の街に吸い込まれるように消えていってしまいましたとさ。
ライブでも会議でも講演会でも、難聴の人たちの聞こえの保障として、マイクのチェックは大切なことですね。
パパパンダの次回ステージに期待しましょう。