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それあるっ!劇場~きつねパンダ一家~

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それあるっ!劇場 ~きつねパンダ一家~

 北九州市で元気に暮らすきつねパンダ一家が、あるある話のメインキャラクターとして、ある時は障害のある当事者として、またある時は家族として、いろいろな場面に登場する「それあるっ!劇場」

 今回は「障害の社会モデル」についてのお話です。

〈登場人物〉

▲登場人物
▲4コマ漫画

エピソード20 すぐそこ、が結構遠い~

 

 今回登場のパンダちゃん、下肢障害があり普段は松葉杖を使って歩行をしています。

 今日は友人から飲み会に誘われ、駅近くのお店に行くことになりました。

 お店の名前は「すぐそこ屋」。場所は駅から歩いて5分だから、皆(みんな)で歩いていこうと友人は言っています。歩いて5分が少し気になりますが、皆でと友人も誘ってくれているので、結局歩いて行くことにしたパンダちゃん。

 待ち合わせ場所について、皆で歩き出しますが、お店はすぐそこのはずなのになかなかたどり着きません。友人たちに見守られながら、少しずつ進んでいくパンダちゃん。やっとお店に到着したころには汗だくで疲労困憊(こんぱい)の様子。その後は大丈夫だったのでしょうか?

 友人たちには歩いて5分の距離でも、パンダちゃんにとってはとても遠い距離だったようですね。

 歩いて5分、皆さんはどう感じますか?

5分だと感覚的には近いと感じるかもしれませんが、実際の距離にしてみるとどうでしょう?

 不動産における「徒歩何分」の表示にはルールがあるらしく、「徒歩1分は80メートル相当」として計算されているそうです。そうすると、「歩いて5分」は距離にすると400メートルになります。

 健康な若者にとっての400メートルは、それほどの距離に感じないかもしれませんが、高齢で手押し車を使う人や、下肢障害があって杖や松葉杖で歩く人たちにとっての400メートルは結構な距離となり、かかる時間も相当なものになりますよね。

 なので、そのような移動に困難を抱える人と一緒に移動する時には、時間に余裕をもって計画を立て途中休憩をしながら行くとか、場合によっては近くでもタクシーを利用するなど配慮が必要です。たとえ数分の距離だからと安易に歩いて行くことにすると、短い距離でも直線ではないので、途中何回も曲がったり進んだりを繰り返し、結果長距離を歩かせてしまうことにもなってしまいます。夏場に人よりも倍の時間がかかって歩くようなことになれば、途中で着替えが必要になるほど汗だくになってしまうことも。

 時間や距離の感覚は人それぞれで違いますが、移動に困難を抱える人にとって、「すぐそこ」は結構遠い距離なのです。

 「すぐそこ」にはご注意を。

 歩く距離をちょっと意識してみましょう。


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