ご存知ですか?中途視覚障害者緊急生活訓練事業
視覚に障害のない人は、普段さほど意識することなく過ごしていますが、かなりの部分を視覚に頼って生活しています。しかし、人生の途中で見えなくなる、あるいは生活に支障をきたすほど見えにくくなる中途視覚障害者は、近年増加の一途をたどっています。視覚に障害のない人であっても、突然視力を失うことは決して珍しいことではなく、誰の身に起こっても不思議ではありません。
「この先どうしたらいいのか、何をしたらいいのかわからず、途方に暮れた」
「外出が怖くなって家に引きこもっていた」
「あれも出来ない、これも出来ないという絶望感から、精神的に不安定になった」
中途で視覚障害となった人の多くが、生活や将来の不安、焦燥感(しょうそうかん)を抱えて立ちすくんだ経験を口にされます。それまで持っていたものを失うことで、それから先の人生をも断たれたように感じてしまうのかもしれません。でも、もちろんそんなことはありません。見えなくなっても、皆さん自分らしく、その後の人生を歩いていらっしゃいます。
「しんしょうだより」前号(65号)でご紹介した『福祉用具プラザ北九州』では、目が見えない・見えにくいことで困っている人やそのご家族、支援をしている人からの相談を、専門のスタッフ(視覚障害生活訓練等指導者・視覚障害当事者相談員等)が受け付けています。
また、「中途視覚障害者緊急生活訓練事業」では、市内在住で身体障害者手帳(視覚障害)を所持している人や難病等(障害者総合支援法に定める疾病(しっぺい))の人を対象に、介助者との歩行や白杖(はくじょう)を使った単独(たんどく)歩行(ほこう)の仕方などの「歩行訓練」、音声読み上げソフトを使ったパソコンの使い方や、点字の学習、スマートフォンの使い方などの「コミュニケーション訓練」、家事技能や様々な便利な福祉用具の紹介や使い方などの「日常生活動作訓練」を無料で行っています。
月に一度開催される「視覚障害者のつどい」には、訓練を受講した当事者が集まります。見えなくなった経緯や、見えなくなってからの期間、見え方に違いはあっても、悩みや困りごとに共感しながら、交流・親睦を深めています。当事者同士、生活上の便利グッズや使える携帯アプリ、面白かったCD図書や講座の話などにも花を咲かせ、さまざまな情報交換の場にもなっています。
困っている人はいませんか?
悩んで立ちすくんでいる人はいませんか?
まずはつながってください。
電話 093-522-8721
福祉用具プラザ北九州 小倉北区馬借1丁目7-1北九州市総合保健福祉センター1階