それあるっ!劇場~きつねパンダ一家~
北九州市で元気に暮らすきつねパンダ一家が、あるある話のメインキャラクターとして、ある時は障害のある当事者として、またある時は家族として、いろいろな場面に登場する「それあるっ!劇場」今回は視覚に障害のある人のお話です。
〈エピソード12〉 ~違うっておもしろい~
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、昨年の流行語にもなりましたが「オンライン〇〇」という言葉をよく耳にするようになりました。オンライン会議、オンライン研修会、オンラインツアーなどなど。
特にオンライン会議については、会議室に集まることなく、またそのための移動を伴うことなく、複数の人が同時にインターネット回線を通じて会議に参加出来ることから、外出が制限される状況で需要が増え、あっという間に世の中に普及していきました。
視覚に障害のある人も、パソコンの音声読み上げソフトやタブレットのアクセシビリティ機能の恩恵で、ビデオ会議アプリを使用し、オンラインを通じて会議に参加する機会が増えてきました。
今回、視覚に障害があり全く見えないママパンダも、オンラインを通じて会議に参加しています。
ママパンダは全く見えないためパソコン画面に映っている状況は分かりませんが、他の参加者に姿が見えるように、パソコンに搭載されたカメラで自分を映し出し、同時に参加している仲間と3人で会話も弾んでいます。
会議は夕方から始まったのか、窓の外では夕日が沈みかけてきました。
そのまま会議が進んでいくと、ママパンダの映っている画面が薄暗く変化し、やがて真っ暗に!
闇夜に消えるママパンダ。でも決して怖いお話ではありません。
見える人は、暗くなれば当たり前のように明かりを点けますが、全く見えないに人とっては、夜に照明などの明かりがなくても生活には困らない。そんなわけで、明かりを点ける必要を感じていなかったママパンダの画面は、夜の訪れと共に消えていったのです。
夜になったら明かりを点ける習慣があるかないか、見える人と見えない人のそんな違いによるケース、いろんな人が参加するビデオ会議においては、わりと起こりうることかもしれません。
まわりを見渡してみると、障害のある人とない人のさまざまな習慣の違いは、日常にもたくさんあると思います。
「自分はこうするけど、あなたはどうする?」なんて話を日頃からお互いにしてみると、違いのおもしろさがあり、なるほどと思うことも多いかも。