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東田第一高炉史跡広場
北九州市八幡東区東田にある『東田第一高炉』。
今回は、この高炉が立っている『東田第一高炉史跡広場』について北九州市市民文化スポーツ局文化企画課の担当の方にお話をお聞きしました。
日本で初めて銑鉄と鋼鉄(※)を一貫して作ることができた官営八幡製鉄所の最初の高炉で、『1901』と書かれた看板を掲げてそびえ立つグレーの煙突。それが近代日本の産業を支えてきた『東田第一高炉』です。1901年(明治34年)の火入れ式から1972年(昭和47年)までの間10回もの改修を行ないながら、この高炉で鉄が作り続けられてきました。現在見ることができるのは第10次改修高炉ですが、高炉の1階にある『炉床(基礎部分)』だけは、1901年当時からその位置を変えることなく使用されてきたものといわれています。
鉄ができるまでにはいくつかの工程があります。まず原料となる鉄鉱石が高炉内で高温によって溶かされ、どろどろの銑鉄になります。そして銑鉄は、鋳床(床に作られた溝)を通って貨車(トーピードカー)に積み込まれて転炉まで運ばれます。そこで加工されて、利用目的に合わせた質のいい鋼鉄に変わり、製品となります。
『東田第一高炉史跡広場』は歴史的建造物であるため後から加えることが難しく、バリアフリーの設備ではありません。そのため障害のある人や外国の人など、誰もが使いやすい環境とはいえませんが、たくさんの人に見てもらえるような工夫も見られます。
たとえば1階部分にはテーブルや椅子のあるスペースがあります。そこで持参したお弁当などを食べたり、疲れたら休憩することができます。
史跡広場内のトイレ設備は、男性用・女性用それぞれ室内に手すりが設置された和式のトイレで、使用が難しい方は近辺の施設(北九州市イノベーションギャラリー、いのちのたび博物館)のトイレをご案内できます。
また、高炉が現役で稼働していた当時の写真付で説明パネルが展示しています。さらに数カ所、設備や鋼鉄が製品化されるまでの工程について、図入りの説明板が設置されているなど、北九州の産業について、その歴史を実際に見て実物に触れて学ぶことができます。
高炉までは、北九州市イノベーションギャラリー側から来ると、史跡広場の入口までは段差のない舗装された道となっていますので、1階部分の炉床のすぐ横まで誰でも行くことができます。博物館ゾーンの駐車場側スロープから、高齢のためや障害があるためにスロープを利用するのが難しい方など、配慮が必要なため史跡広場内に車の乗り入れをご希望の方は、北九州市市民文化スポーツ局文化部文化企画課へお問い合わせください。
最後に、担当の方にお勧めの撮影位置をお聞きしました。
『隣の大型スポーツ店から北九州市(きたきゅうしゅうし)都市(とし)高速(こうそく)道路(どうろ)を背景にして写す』『北九州イノベーションギャラリーの出入口付近から写す』だそうです。ぜひ写真に撮ってみてくださいね。
※銑鉄とは、鉄鉱石を溶鉱炉で還元して取り出した鉄で、不純物を含み硬くてもろいもの。
鋼鉄とは、鉄の合金で、強靭で加工性に優れているもの。
お問合わせ先:
北九州市市民文化スポーツ局文化部 文化企画課
電話 093-582-2391 FAX093-581-5755