ひと
ナイチンゲールに導かれて臨床美術士の道へ
クリニカルアート FUKUI 代表 福井 道子氏
(ふくい みちこ)
私の臨床(りんしょう)美術(びじゅつ)との出会いは、看護(かんご)教員(きょういん)だった50歳の頃に受け取った一通のダイレクトメールでした。
私はこの言葉を信条に看護師教育にあたってきました。定年退職後は好きな絵を描きながら今までの経験を活かす活動がしたいと思っていた私は、このダイレクトメールがナイチンゲールからの手紙のように感じられました。看護にアート(想像力)は必要であるけれど、アート(想像力)は看護師のみならず子どもから大人まですべての人々に必要なことである。そして、そのことを伝える活動こそがこれからの私の一番やりたいことなのだとの思いに至りました。さっそく臨床美術士の資格をとり、アトリエも建て準備をしました。 定年退職後は、まず子どもの教室を始めました。若い看護学生を教育した経験から、想像力は子どものころから育むことが必要であると痛感していたからです。
現在は、子どもだけでなくあらゆる発達段階の方々を対象に少人数でセッションをしています。不登校や発達障害の子ども達は個別に対応をしています。また、障害者などの福祉施設や地域での活動も定期的に行っていますが、私の信条である「看護はアート」を伝える活動(看護学校の授業や看護師の研修など)も続けています。
令和3年度から西部障害者福祉会館で講座をさせていただいています。
きっかけは、私の教室に通っていた不登校の中学生の作品を見た方が感動し、担当者に相談したことだとお聞きしました。アートは人の心を動かし、繋いでくれます。
臨床美術は、障害のあるなしにかかわらず誰もが楽しむことができます。これからも看護の経験を活かし、安心できる環境でたくさんの方々にアートを楽しんでいただきたいと思っています。