LENCONのはじめの一歩
初めての公園 ~ぶらんことすべり台~
身障協会職員 永松 玲子(ながまつ れいこ)
※サリドマイドの薬害のため、両肩から数本の指が少し出ているだけの状態で左目は失明、右目も眼球振動があり弱視(近づけば人がいるか識別できるくらい)
34号は、両肩から数本の指が出ている私の障害の事を書き、どんなふうに「寝返り、座り、捕まり立ち、伝い歩き」を始めたかを書きました。そして35号は「小さな一人歩き編」を書きました。今回37号もその続きで「初めての公園 ブランコとすべり台編」です。
一人歩きから小走りまでできるようになり、近所の子と遊ぶようになった頃、近所の子から家の近くに小さな公園が2か所あることを教えてもらいました。1ヵ所は家のすぐ近くの体育館の裏。もう1ヵ所は家から少し離れた横断歩道を渡った向こう側。
1歳下の妹はすぐ体育館の裏の公園に行くようになり、私は公園の意味が分からず数日後、父に連れて行ってもらった気がします。
初めて行った公園。そして初めて見るブランコとすべり台。みんなが楽しそうに遊ぶその遊具に私はどうやって乗っていいのか分からず、しばらくは父に抱えられながら乗っていたのを憶えています。
ブランコもすべり台も父に抱えられながら乗っていたとはいえ、全身で楽しさを感じていました。そのうち自分でその遊具に乗りたくなり、すべり台の階段は階段に座り1段ずつお尻から上がっていくようになり、一番上で向きを変えすべれるようになりました。
また、ブランコは何度も後ろ向きに落ち痛い思いもしましたが、右手でチェーンにつかまり乗れるようになりました。
みんなと遊ぶうち、すべり台の階段はいつの間にかお尻上がりを卒業し、右手で手すりにつかまり上がっていけるようになり、ブランコは右足で地面を少し強めにけり、大きく揺らし飛び降りるまで、できるようになっていきました。
まぁ、あこがれていたブランコの立ちこぎはできないままでしたけど…
今思えば、子供の頃の公園での遊具遊びは、とっても大事だったと思いました。たくさん怪我はしましたが痛みを知ることもできるし、バランス感覚も養えます。
私が転びにくいのも、この時期のおかげかもしれません。