生きがい
「一日書道体験」
北九州視覚障害者就労支援センターあいず 池前 己代子(いけまえ みよこ)
私が書道を始めたのは小学校の習字の授業が初めてだったと思います。社会生活では書道を書く事はあまり有りませんでした。年賀状を書く程度でした。
視覚障害になって文字を書く事がだんだん無くなり、14、5年前頃からは書道はもちろん全く字を書く事が無くなりました。
でも、昨年特殊な墨で浮き出る書道の一日体験が有り、参加しました。何十年ぶりかの書道で、ドキドキしながらの体験でした。まず書き始めの筆の位置、紙の大きさなどを教えてもらい、空間の取り方を何度もイメージし、周りの人に助けてもらいながら、一文字書き上げるごとに、指で確認した時は嬉しくて感動しました。この体験は楽しく、嬉しい一日でした。
そのうえ北九州市障害者芸術祭にも出品することができました。今後またこの様な機会が有れば、挑戦したいとおもいます。
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池前さんのプロフィール
生年月日:昭和24年生まれ
障害:網膜色素変性症
学生の頃の好きなこと、木登りと走ること。リレーでは男子と張り合うほど。
眼の異常に気が付いたのは平成5年の頃。自転車で子供の授業参観に向かう途中、横から来た車が分からず接触。網膜色素変性症と判明。現在は光があるかないか、かろうじて識別できるくらい。
仕事は、戸畑にある北九州視覚障害者就労支援センターあいずで、点字用紙を使って作る小物や点字名刺作成の仕事をしている。
昨年開催された第7回北九州市障害者芸術祭で「身体障害者福祉協会 理事長賞」を受賞。